スタンフォードのストレスを力に変える教科書
『スタンフォードの自分を変える教室』がベストセラーとなった、健康心理学者ケリー・マクゴニガル氏待望の新作。(初めに言っておくが、彼女の著書にハズレはない。)前述の著書では、意志力・モチベーションについて、心理学の観点から述べられおり、とても興味深かった。
さて、今回はストレスについてだ。(最近私はストレスを特に自覚するようになり、すがる思いでこの本を手に取ったものだ。)ストレスに関しては、昨年より企業の従業員に対するストレスチェックが義務化されるなど、世間的にも関心度の高いものになっていることと思う。
さて、みなさんはストレスに対してどう思っているだろうか?私はこの本を読むまで、ストレスは悪いもの、ないに越したことはないと思っていた。だから、ストレスを感じない方法、ストレスを避ける方法ばかり考えていた。
しかし、この本は、私の考えを180度変えてしまった。ストレスは健康に悪いと思うと死亡リスクが高まるというのだ!!どういうことだろう?ストレス自体が健康に悪いんじゃない。ストレスが健康に悪いと思うことが悪い、ということらしい。ほうほう。ストレスが悪いんじゃないんだ!!一気に希望が持てた。もっと早くこの本に出会えていたら…。
結局、何事も気持ちの持ちようなんだと思う。心理学ではそのことを「マインドセット」という。シェイクスピアの名言「幸も不幸もない。考え方次第でどうにでもなる」を思い出さずにはいられない。
さらに面白い記述に、「年齢を重ねることをポジティブポジティブにとらえている人は、寿命が8年延びる」というものもある。考え方次第でこうも違うのかと。今までストレスが悪いと思ってきた自分がバカみたいだ。マインドセットの大切さを学ぶ。
この本の中でストレスは「自分にとって大切なものが脅かされたときに生じるもの」と定義される。ストレスを感じているということは、大切な何かが脅かされているということ。逆に、ストレスを感じていないものは、自分にとってどうでもいいことと言い換えることができる。ストレスを感じているのは、自分にとって価値あることを行っているからということらしい。
ストレス自体が悪いことではないとわかった。では、実際にストレスを感じたらどうすればいいのだろう?
具体的なストレスへの対処法は、以下の通りだ。
①ストレスを感じたら、まずそれを認識する。ストレスを感じていることを受けとめ、体にどんな反応が表れているかにも注意する。
②ストレス反応が起きたのは、自分にとって大切なものが脅かされているせいだと認識して、ストレスを受け入れる。ストレスを感じるからには、なにか積極的にやりたいと思っていることがあるはず。脅かされているものは何か?なぜそれはあなたにとって大切なのか?
③ストレスを感じたときに生じる力を、ストレス管理しようとして無駄にしないで、利用する。あなたの目標や価値観に合ったことにエネルギーを使うにはどうすればよいか、考えてみる。
ストレスの良い面は、以下の通り。
①困難にうまく対処する
②人とのつながりを強める
③学び、成長する
人生に生きがいを感じている人びとは、あまり生きがいを感じてない人びとにくらべて、心配ごとが多く、ストレスも多いということがわかっているらしい。なるほど。勇気が湧いてくる。
つまり何がいいたいかというと、
ストレスには良い面も悪い面もある。
ストレスを悪いものと避けるのではなく、良いものであると受け入れることが大切ということだ。ストレスがない人生は、それはそれで退屈だ。退屈は死亡率を上げるという。ストレスを受け入れる姿勢が、人を成長させるのだと思う。実に希望に満ち溢れた、素晴らしい考察である。
心臓がドキドキしているのは、体が行動を起こす準備をしているしるしだ!!!さあ、ゆこう!!!
0コメント